2017年09月19日

ジョン・ケージの歌

ジョン・ケージ「四分三十三秒」のすずしさよ茸すぱすぱと伸ぶ 渡辺松男「泡宇宙の蛙」より

音楽を扱った歌もたくさんあるのですね。バッハ、モーツァルト、ショパン…でもケージの歌には私は初めて出会いました。

「四分三十三秒」はもうすっかり有名になりましたが、ざっくり言えば4分33秒の間、演奏者はまったく音を出さないという、音楽とはいったい何か?と改めて問われるような、何か哲学的ともいえる作品です。

いったい茸が「すぱすぱと」伸びるとは何ごと?静かな空間で茸が成長する音が聞こえるぐらい?何もしない(まあ楽器演奏以外のいろいろはできます)ことでたったの四分三十三秒がとても長く感じられるということかしら?この曲を知らない人にとっても、あれこれ想像を広げられそうな表現ですね。

猫による「四分三十三秒」

「四分三十三秒」デスメタルバージョン。イントロのドラムと3'11"あたりのパフォーマンスに注目。


ペータースがケージ生誕100周年記念版を出しています。ちょっと欲しくて迷っている私です。でもピアノレッスンで見ていただけるかどうか。私の先生はあまり現代曲を好まれないのです。

私はケージならこれも弾いてみたいです。

続きを読む
posted by 水曜日(とに) at 12:45| Comment(2) | 私の好きな歌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月16日

蜘蛛の百合

約束のありたるやうに彼岸にはきつちりと野に曼殊沙華咲く
土なかに球根は生きて季なれば茎突つ立てて彼岸花咲く

水谷慶一朗(冬雷2016年12月号 p.2)

「約束のありたるやうに」という美しい句がずっと印象に残っていました。「季」がめぐると言いますが、久しぶりにこの歌を読み返して、太陽の動きに連動して豊作の祝いと祖先の供養が脈々と行われてきた日本のことを考えています。

我が家の庭にも群生しているよ、と実家の父が写真を送ってきました。英語ではスパイダー・リリーだとかマジック・リリーだとか言うのだそうです。このあたりでは見たことがありません。カナダの中では暖かい町ですから、ちょっと育てられそうな気もするのですけれどね。でも彼岸花に一番似合うのはやっぱり田んぼの畦道でしょう。

DSC_0019.jpg



posted by 水曜日(とに) at 12:49| Comment(6) | 短歌結社 冬雷 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月15日

緊張するのです

短歌の楽しみ。それはとてもたくさんあるのですが、その一つが自分と同じような体験をした人の歌を見つけることかもしれません。少なくとも私はそうして短歌の世界への親しみを深めています。


発表会サマーコンサート緊張でピアノ鍵盤弾く手震う  鵜崎芳子 (冬雷2017年9月号 p.64)

ああとてもよくわかります、鵜崎さん、私も同じでした…!

8月に友人が企画したサロンコンサートで私はぜんぜん弾けませんでした。重たい鍵盤に転びそうになりながら何度も願ったものです。「どうかどうか最後まで止まらずに行けますように…」

「人前で演奏することは精神衛生上よくない」。そんなようなことをカナダの偉大なピアニスト、グレン・グールドは言いましたっけ。天才で完璧主義者だったグールドと自分を一緒になどできませんが、でも私も人前で弾くのは嫌い。それほどまでに緊張して普段より劣化した演奏をさらけ出して、そこになにか意味があるのかな。私がピアノでやりたいことはコンサートを開くことでもコンクールに出ることでもないのにな。などと思う今日この頃でした。

猫さん譜読み中。
Erica wedding party 379.JPG













posted by 水曜日(とに) at 09:54| Comment(6) | 短歌結社 冬雷 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする